物件購入の申込み前から売買契約までの流れ

間取り図面や計算機などで住宅購入を検討しているイメージ
住宅をいざ買うとなると、購入の手順や注意すべきことなどがよくわからないものです。しかし、1千万円単位の高額な商品ですから、わからないままでは当然不安でしょう。そこでまずは、物件購入の申込み前から契約までの流れを把握しておきましょう。

購入申込みまでにすること

まず、購入申込みまでにすることは以下の通りです。

 

【物件見学】

購入申込みの意思を固めるためには、入念な物件チェックが必要です。モデルルームで物件の説明を受けるのはもちろん、現地でもくまなく確認しなければいけません。買ってから後悔しないためには、物件そのものと周辺環境も含め、自分の希望と照らしてよく考えましょう。自分以外にも検討者がいる状況であれば、先を越されないように焦ってしまうかもしれませんが、そういうときこそ落ち着いて不動産会社の販売担当者に申込みの回答期限を確認して、速やかにかつ入念にチェックをして決断することが重要です。

 

【購入条件の確認】

物件の申し込みをする前に、購入価格と引渡し日などの条件面をきちんと確認します。例えば、「○○万円まで下がれば」という価格交渉や「設備に○○を付けてほしい」などの仕様面の交渉ごとも、この段階ではっきりとしておきます。希望条件を含めて、申込書によって購入したい旨の意思表示を行うのです。言い換えれば、これ以降にやはりこうしてほしい、こうならないか、と言い出しても通りませんのでご注意ください。

購入申込み~売買契約ですること

やることを確認するチェックリスト

購入申込みから売買契約にかけては、以下の事を行います。

 

【購入申し込み】

多くの場合は、内見に出かけたモデルハウス・モデルルームなどで、「購入申込書(中古物件の場合は「買付証明書」)」に必要事項を記入して、販売担当者に渡すことで申込みが完了します。中古物件では、大抵は先着順で申込みが受け付けされます。新築物件で抽選方式をとる場合は、後日抽選会が行われ購入者を確定します。

 

【申込金の支払い】

売主によっては、申込み時に申込金を徴収するケースがあります。申込金額は10万円などに設定されることが多く、申込み時に売主へ預け入れる形になります。申込金が必要かどうかはケースバイケースなので事前に確認しておきましょう。

 

【住宅ローンの事前審査】

現金で一括購入するケースは少ないので、多くの人は住宅ローンを申し込むための「事前審査」を受けます。「事前」といっても、「個人信用情報」という過去の借り入れによる延滞履歴も含め、金融機関は細かく調査します。事前審査に通過しなければ融資の申込みはできません。早ければ1営業日ほどで結果が出ますが、3~5営業日かかることもあります。事前審査には、源泉徴収票や健康保険証などの書類提出が必要です(すべてコピーで可)。時間を無駄にしないためには、前もって必要な書類は何かを確認しておくとスムーズに進むでしょう。

 

【重要事項説明】

重要事項説明とは、購入物件についての詳細な内容、契約についての具体的な取り決めなどを売主側から買主に対して説明するものです。重要事項説明は、宅地建物取引業法の定めにより、必ず宅地建物取引士が資格証を提示して契約締結前に行わねばなりません。説明・確認項目はたくさんありますが、曖昧なまま聞き流していると後で後悔することになりかねません。契約前に契約内容を確認できる最後の機会ですので、わからないことは何でも質問して解消しましょう。

 

【売買契約の締結】

重要事項説明について、すべて理解・納得ができたら、買主は重要事項説明書に署名・捺印します。ここまで終えたら、売買契約の締結に進みます。「売買契約書」のほか「設計図面」や「地盤調査資料」といった添付書類の内容を確認します。すべて問題なければ、いよいよ売買契約書に署名捺印をして契約が結ばれます。

購入申込みは撤回可能か

結論から言うと、購入申込みの撤回は可能です。「申込み」には法的拘束力がないので、特にペナルティーもありません。仮に申込金を納入している場合は、原則として全額返金されます。

 

住宅は、とても高額で大切な買い物です。検討の途中で考えが変わったり、家族の新たなニーズに気づいたりということは、よりよい住まいを手に入れるためには起こり得ることです。ですから、「あれだけ良くしてくれた営業担当の人に悪いから……」という気持ちがあったとしても、もしも申し込んだ物件が目指すものではなくなってしまったのなら、我慢せずに申込みは撤回した方が良いでしょう。

 

ただし、売主が申込みを受け付けるということは、その物件の募集をストップさせるということです。申込み後一週間でのキャンセルだとしても、売主にとっては大きなロスになります。そのため、買う側の心得としては、軽い気持ちで申し込んだりせず、検討を重ねて購入意思が固まってから申し込むようにしましょう。

不動産お役立ち情報