店舗施工で失敗しない依頼先選定時の注意点

店舗施工会社の選定ポイントを表したイメージ画像
店舗が決まれば、内(外)装工事を依頼することになります。施工会社選びは、店舗づくりでの重要な要素の一つです。失敗しないために、選定の際に注意しておくべきポイントを見ていきましょう。

自分のイメージを明確に伝える

どんな会社に施工を依頼するにしても、自分の希望するイメージを明確に伝える必要があります。イメージが具体化されていない状態で施工を依頼されても、受けた方が困ってしまいます。お店を持ちたいと考えたときに、「こんな店にしたいな」とか「あの店すてきだったな」とか、思い描くものがあるでしょう。施工はあなたのイメージを具体的に実体化するものですから、人に伝えるということを前提にできるだけ明確にしておきましょう。

 

どうしてもイメージを具体的に示すことができない、ということはあると思います。そういう場合は、依頼先のデザイナーに相談してみるといいでしょう。いくつかのヒントから、想像と経験によって、要望に合ったデザイン案の提示に努めてくれます。

施工依頼先の見つけ方

オフィスの電話で相談に応じている店舗会社スタッフの画像

仕事が確かで信頼でき、かつ料金が適正だと納得できる会社に依頼したいものです。以下施工会社を探すときの参考にしてください。

 

【気に入ったお店の人におしえてもらう】

普段から気になるデザインや内装のお店があるなら、そのお店に施工会社をおしえてもらえるかもしれません。一見(いちげん)だとなかなか難しいですが、顔見知りや知り合いの場合は、実際の使い勝手や改良点など、参考にできることを無理のない範囲で聞いてみるのもいいでしょう。もしも、紹介してもらえるなら、その後の商談がしやすくなるなどのメリットがあるかもしれません。

 

ただし、知り合いや紹介の場合のデメリットも把握しておく必要があります。見積書を検討した結果断る場合、ビジネスライクに断りにくいこと。相見積りを取る場合には、こちらの意図は事前にきちんと伝え、紹介者、施工会社双方に誤解などが生じないようにしましょう。

 

【ネットなどから探す】

一番手軽ですぐにできるのが、インターネットで探す方法です。大抵の会社は施工実績を画像で公開しているので、自分のイメージと合うかどうかをある程度は確認できます。会社によっては大まかな費用の目安を提示していることもあり、概算での予算との照らし合わせができます。

 

注意すべき点として、施工実績が十分であることのほかに、目指す業種を手がけているかどうかを必ず見ましょう。例えば、飲食店と美容室では法令上の規制が異なり、必要な設備などに大きく関係してきます。そういった知識という面でも、自店舗と同業種を手がけた実績を持っている会社を選ぶと安心ですし、有益なアドバイスを受けられます。

 

【意見交換ができる会社を選ぶ】

発注側は施工に関しては素人ですから、いくら勉強して一所懸命に計画案を立てても、やはり足りない部分は必ずあります。プロとしてデザイン・施工をしてくれる側には、そういう部分を確実に埋めてくれることを期待したいですよね。その意味では、発注側の要望にまずい点があれば、その理由を共に明確に指摘してくれて、よりよい改善案を提示してくれるような会社が望ましいと言えます。

 

一方で、こちらが知識不足だという前提で、自社のプランや設備機器の導入を押し付けてくるような会社は、正しい意見交換、コミュニケーションが取れるとは考えにくいです。このような感じを受けたなら、その会社は避けた方がいいでしょう。

 

予算の中で、互いのイメージを共有しながら、一緒に良い店舗をつくろうという方向に進める会社を見つけましょう。まずは、施工実績から自分のイメージ・好みと合うなと感じたところをピックアップしていくといいかもしれません。

見積もりは複数社に依頼し十分に比較

施工会社をいくつか選んだら、必要な情報と共に自分の希望するイメージを伝えて見積もりを依頼します。ここが重要なポイントですが、見積もりは必ず複数社に依頼しましょう。いわゆる「相見積り」と言われるものです。相見積もりは、施工会社を比較検討する上で最も大きな材料となってきます。

 

何社にも見積もりを依頼するのは手間や時間がかかりますが、見積書の説明を受ける過程でそれぞれの特徴が見えてくるとともに、改善点や変更点が見出せることもあるでしょう。施工会社が新しい提案をしてくれることもあり得ます。相見積もりは価格の比較だけではなく、トータルで施工会社を選ぶ機会を提供してくれる重要なツールなのです。ですから、見積書の記載内容については、できるだけ詳細な費用項目を出してもらうようにしましょう。「○○一式」というような、総額だけを表示した見積書では比較検討ができません。

 

また、できるなら、見積書に記載のある材料や設備、建具などについて、具体的にどのようなものかわかるような写真付きの見本資料を付けてもらえないか、確認しましょう。文字と数字だけの見積書だけではつかめなかったイメージを思い浮かべることができます。

 

見積りを依頼し、出された見積書を比較検討し発注先を選ぶ。これだけでも結構な時間がかかります。項目漏れや値引き交渉などで再見積りということになれば、さらに時間は追加されます。時間が少ないと十分な検討時間が取れず、「ここでいいか」という雑な選定になりがちです。このような発注の仕方は、後悔のもとですので、スケジュールはゆとりを持ってあらかじめ引いておきましょう。

 

店舗開業を成功につなげるために、施工会社の選定はとても重要なポイントとなります。見積書にはさまざまな記載がなされてきますが、金額の比較だけでなく、対応などを含めた点を総合的に判断することが大切です。

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